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2006年10月 5日 (木)

Nickel and Dimed 3

ようやく読み終わりました。
20年前と比較して、ほとんど増えていない時給、いや増えるどころか減っている。
一方家賃はうなぎ上りに上がっていて、著者が取材したような低賃金労働では借りることが困難になっている。家賃の収入に占める割合は、どんなに安い物件でも40%近く。デポジットが用意できなければ、割高と分かっていてもモーテルなどを借りるしかなく、そうすると60%近くになることもある。自助努力の国アメリカでは、日本のような低所得層向けの公営住宅などなく、低賃金労働者は生きるだけで精一杯になる。配偶者や子供と助け合って生きていける人間はまだ家賃をあがなえるけど、シングルマザーは最も厳しい。日本でも一人口は養えなくとも二人口なら生きていけると言うけれど・・・。
あちこちのブログを読むとワーキングプアは政府と企業の責任という意見が目につきます。でも、私の意見は少し違う。企業は利益を目的としている組織。コストに対しては厳しくあるのが当たり前。企業活動がグローバルになっている現在、途上国の低賃金労働力に対抗するため、いろいろな手段はとらざるを得ないだろう。ただ、社会的存在である限り、モラルや法令を無視しては生きていけない。どこまで企業に要求できるか。
一方政府はと言えば、一時期日本は社会主義国より社会主義らしいとまで言われていた。でも、実際には80年代はヨーロッパの各国から日本は失業を輸出していると非難されていた。まるで今の中国のように。その後、バブルがはじけ、長期低迷の時代となり、税収も上がらず、社会格差が広がった。この状況で政府にどこまで求めるのか。私は小泉政権の成果は、結局何もしなかったことではないかと思っている。政府は何もしないと企業に認識させることで、自助努力でどうにかするしかないと痛感させた。それによって、各企業がそれぞれに対策に死にものぐるいで取り組み、どうにか生き延びた。政府が手助けしていたらどうなっていたのだろう?結局、傷をもっと大きくして、日本全体が沈んでしまった可能性もあるだろう。
当時、勤めていた工場が再編で閉鎖された経験のある私としては、人ごとではない。自分自身は社内に異動できる部署があったが、そうでない人も、諸処の事情で転勤することができずにやめていった人もたくさんいた。
政府のお金の使い方として、貧しい層に焦点を当てるのと、減税などでむしろ富裕層に還元するのと、どちらがよいのだろう?富裕層の中には、お金をまた事業に充て、新たに人を雇うことで、全体に経済を豊かにする人も出てくる可能性がある。結局バランスとは思うのだが、目の前の貧困だけに注目しすぎては、長期的には見誤ってしまうかもしれない。社会を支えている貧困層について、忘れてはいけないが。

この本の他の人の感想は例えば
http://fantastica.exblog.jp/4438724
http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2006/08/28220307.php

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