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2007年8月 9日 (木)

善き人のためのソナタ

アメリカに行くときは、ひたすら機内の映画プログラムを見るのですが、6月に行ったときにはまりました。
ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ、人々を監視するシュタージの一人の大尉が主人公。人の弱さ、哀しさを描くとともに、人間の尊厳と自由の尊さを描いた作品だと思います。
我ながら、なぜこれほどまでにこの映画にひかれ、感動したのか分からない。心がかき乱され、見終わった後に涙が出るのを止めることができませんでした。

今のベトナムにここまで強固な国民監視システムはさすがにないと思います。でも、地位ある人であれば、公式に政治的多元主義(多党制ですらない)を表明するだけで、社会的に抹殺される体制であることは変わっていないのです。
今は、経済的豊かさを求めることで皆が沸き立ち、不満の声はそれほど聞こえてこないけれど、ちょっとした拍子にはじけてしまいかねない種が隠された社会でもあるのです。

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