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2008年7月 3日 (木)

イレッサ

叔母が肺がんにかかって、入院、手術して、あまり長くはないかもしれないという連絡が入りました。もう、5年くらい会っていなかったのですが、学生時代、割合近いところに住んでいて、よく遊びに行かしてもらって世話になっていました。本人は、病名は知っているけれども、長くは持たないかもしれないというのは聞いていないので、気取られないようにとのことでしたので、たまたま、近くに用事があったのでついでにという態を装ってお見舞いに行くことにしました。
連絡があって、ちょっと間が空いたのですが、お見舞いの直前に連絡を入れると、既に退院したとのこと。お見舞いというより、退院祝いだねと言いながら会ったのですが、さすがに体重が落ち、ガリガリに痩せてはいるものの、当初考えていたよりは元気でした。まあ、退院したのだから当然でしょうが。
目覚ましい回復ぶりの理由を聞くと、手術後に投与した抗がん剤が医師も驚くほどに効果を発揮したのだとか。その薬の名はイレッサ。知らなかったので、ネットで調べてみました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ゲフィチニブ ウィキペディアでの記述
http://www.iressa.jp/select.asp イレッサの公式ページ
http://homepage3.nifty.com/i250-higainokai/ イレッサ薬害被害の会
http://www.geocities.com/HotSprings/4347/iressa.htm イレッサを悪魔の薬とする報道への批判
http://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/0831haigan.html イレッサが聞く場合と効かない場合がなぜあるか分析した共同通信の記事

調べるとイレッサには、まだいろんな疑義が残っており、叔母のケースはイレッサが効くいくつかの条件に一致したが故の回復であったことが見えてきました。その条件とは、

アジア系
女性
非喫煙者
線がん

ということで、叔母は見事にこの条件にすべて合致したのでした。
そもそも、イレッサは最新の分子遺伝学の成果を反映させた薬で、ガンが増殖するために必要なレセプターにくっついて、増殖を阻害するという効果でガンを抑えるもので、これまでの抗がん剤のように元祖のものを攻撃するのではないのだそうです。
従い、個人の遺伝情報によって、このレセプターが変わってしまえば、効果も発揮できない。東大病院では通常一般患者は受け入れないのですが、がん患者に協力を呼びかけ、遺伝情報と薬効の創刊を調べる活動を今現在もしているようでした。
アメリカではいったん承認されたイレッサが、プラセボ(偽薬)との薬効の差がないということで、承認を取り消されていたりもします。投与された人の内3%が副作用が出て死亡するということもあり、上記のイレッサ薬害被害の会では反対運動も続けられているようです。
副作用としては、4週間以内に肺炎を起こして死亡に至るケースというのが多く、あとは皮膚にかゆみや発疹、下痢などもあるようです。
この副作用も遺伝情報の差により、効きやすい人、副作用が出やすい人があっての影響と見られているようです。一時期、朝日新聞ではイレッサ批判キャンペーンをやっていたようですが、こういう事情から今は様子見をしているよう。
叔母の劇的な回復ぶりを見た私からは、注意して使えばやはり効果はあるだろうと思わざるを得ない薬です。


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