2009年9月14日 (月)

ジパング再来

完全にヤバい!韓国経済が結構面白かったので、本屋で目についた三橋貴明の別の本を読んでみることにしました。それが、『ジパング再来』。今回の経済危機で、日本が最も恵まれたポジションに位置し、その状況を活用すれば、経済成長は十分にできるという趣旨でした。
確かにうなずけるところが多いのですが、

・新興国などの破綻は、海外債務が多く、為替が暴落することにより債券額が膨らむため
・日本は純債権国であり、上記の破綻はありえない
・公的債務の絶対額が減少している国はない
・日本の問題は公的債務の対GDP比が増えていること
・従い、日本の課題は経済成長をさせて名目GDPを増やすこと

あたりはなるほどと思いました。
また、ヨーロッパの証券化商品の購入額はアメリカの5、6倍に上っており、これからその影響が表れる可能性があるというのも、ぞっとするところです。


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2009年9月13日 (日)

完全にヤバい!韓国経済

2年前くらいに出た『本当はヤバイ!韓国経済』の続編として出ていました。ちょっと気づかなくて読むのが遅くなりましたが、ネットや韓国では話題になっていたようです。
実際、韓国の経済情勢は、前作からその通りに進んで、倒産する会社も出、それをファンドが買い取る用な事例も多発しています。

今回の内容はちょっとどうかなというところはありますが、結構面白かった。資本の逃走からウォンの暴落、インフレの高進というあたりは事実のような気がします。
外貨準備高を積み上げてきた韓国があっという間に数百億ドル残高を減らし、残った中にはファニーメイの社債など、価値が数分の一になっているものがあり、ウォンの買い支え資金に事欠くとか、そのため、スワップ協定でどうにかつないでいるとか。このあたりはどうだろう?
今は韓国の資本収支が8000億円のプラスになっているというので、この本に書かれているような危機は脱したのかもしれませんが、資本収支の中身を良く見ないと分からない。外国から借りた借金が膨らんだだけかも。まあ、もしそうでも、借りられるだけましに戻ったということなんでしょう。ちょっと前までは、貸し手さえ見つからなくて資本収支がマイナスになっていたようですので。

結論の中長期的には中国の影響下に納まるというのは、おそらくそうだろうと思いました。歴史のほとんどがそうだったしね。
現代自動車や三星電子のようにうまく危機を使って伸びたところ以外は、これからまた、外資の経済奴隷化が進むのでしょうか?


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2007年7月11日 (水)

本当はヤバイ!韓国経済

日曜日に本屋さんに立ち寄った時にふと手に取ったのがこの本。そんなに期待していなかったら結構面白かったです。嫌韓派とおぼしき人が書いた韓国経済を例にとった国際収支に関してのやさしい解説書と思って四で、それほど間違いはありません。

本当はヤバイ!韓国経済
ー迫り来る通貨危機再来の恐怖ー
三橋貴明著 彩図社

現在、好調に見える韓国経済ですが、日本のマスコミが書かない危険な状態の韓国経済。分かりやすく読めて、読むと韓国大丈夫か!?と思わず思ってしまいます。私の勤めている会社の大ユーザーは韓国の会社。いきなり、韓国政府がデフォールトとなって、韓国経済が大混乱になったら、うちの会社も傾きます。
現在の韓国の問題は、

経常収支赤字
資本収支赤字
財政赤字
家計の赤字
企業の赤字

これは、

ウォン高→輸出企業不振→経常収支赤字→国内資金不足→短期外債増加→資本収支黒字化→ウォン高

という負の連鎖が止まらず悪循環を繰り返しているため。おまけに、政府の無策どころか現状をさらに悪化させる政策により、絶望した韓国人の海外移住を加速させるという、副次効果まで。
ここ数ヶ月韓国には行っていませんが、いったいどうなってしまうんだろうと不安になります。

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2007年4月18日 (水)

ベトナム株

世間ではベトナム株がブームらしい。ふらっと立ち寄った本屋でベトナム株に関する本を二冊も見つけてしまいました。

ベトナム株
  -中国株に続く新興国株の成功法則-
  戸松信博
筆者は日本初のベトナム株ノーロードファンドを立ち上げた人物らしい。

ベトナム株
 -沸騰するアジア最後の市場-
 迫川敏明
筆者はベトナムでコンサルタントをやっている人物らしい。

刺激的なサブタイトルは、なんか10年前くらいを思い出させますね。アジア最後の投資の楽園とかやっていた。

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2006年12月23日 (土)

師走

12月もあっという間に終わりに近づいてきました。いろいろと行事のある月なので、ブログを書くどころか、見ることさえできない状態で、ここまで来てしまいました。
毎週のように、仕事でどこかに出かけるし、出かけないときには、いろいろな会議や資料作り、最近流行の成果主義というもののせいで、成果をまとめての報告、面談。おまけに忘年会の嵐。東奔西走、まさに師走ですね。
そんな状態なのでまだ年賀状も作っていない・・・。これから作らないと。
成果主義と言えば、一時期話題になった『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』の作者が書いた『若者はなぜ三年で辞めるのか?』を読みました。忙しいとはいえ、出張の移動中に本を読む時間があるのだけは救いです。
この本、結構面白かった。成果主義と言いながら、年功序列の名残を多分に残した人事制度。結局、会社都合で給与を抑制するために導入された体系で、若者には何も希望がない。そういう実態を余すところなく描いています。
景気がようやく上向き、企業業績は絶好調。ようやく従業員に対しても、見返りが帰ってくるかなと少し期待できるようになってきた最近の状況で、こうした事情が好転すればいいなと少し期待していますが、甘いでしょうか?

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2006年11月29日 (水)

超・格差社会アメリカの真実

超・格差社会アメリカの真実 小林由美著 日経BP社 1700円+税
ISBN 4-8222-4542-X

Nickel and Dimedを読んだあと、なぜか格差社会、ワーキングプアといった題材を扱った本を立て続けに読んでいる。自分自身の来た道を振り返って、無関心ではいられないから。
私はどうにか大学に合格した後、すぐに自活できるようにアルバイト先をいろいろ探した。自分の親が信じられなかったから。悪いことに予想は当たり、夏休みになる前に、それまでもわずかだった仕送りは途絶えた。母親に確認すると、父親が友人の借金の保証人になり、金がなくなったからとのことだった。
ちょっと意外だった。父親自身の借金で破綻することを予想していたから。父親は賭け事に使っていたのか、女に貢いでいたのか、以前から借金を作っては、田舎の親や母の里に迷惑をかけていた。
父は勤めていた国鉄を退職して借金を返すことになり、私は一切親の力を頼らずに生きていくことにして、母親に預けていた銀行通帳を返してもらった。送金先をなくすために。

さて、本題に戻り、この本はやはり、勝者の論理で語られているのかなと感じた。

『キャリアは誰か(会社)から与えられるものと言う前提もおかしい。人生は与えられるものと言う発想は、身分制度があった時代なら止むを得なかっただろうが、幸いにして日本にはカースト制度はないし、地理的な移動も自由だ。さまざまな差別も解消されてきて、転職に対する偏見も薄らぎ、機会も増えた。もはや押し付けられたキャリアや人生設計に従う必要がなく、自分で人生を作っていけるようになったのは、むしろようやく手に入れることができた権利であり、機会ではないだろうか?』と筆者は述べる。

これもまたアメリカ型勝者の視点から言えることで、今現実に格差が広がっているのは、地方で生まれ育ち、そこから出ることができない、あるいは出ることを選択として考えない人の問題が大きい。確かに、それぞれの地域で暮らすことは個人の選択でもあるのだが、もし経済的に豊かになりたければ都会へ出ろと極論するのであれば、日本全体の問題につながるだろう。南西諸島の孤島が住む人がなくなり、中国の野望の対象となっているように、経済原則だけでは語れない要素がある。
格差をすべて政府や企業の問題とする立場は受け入れられないが、都会と地方の格差を自由経済の名の元にそのまま放置しておくこともまた許されないだろう。

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2006年10月 5日 (木)

Nickel and Dimed 3

ようやく読み終わりました。
20年前と比較して、ほとんど増えていない時給、いや増えるどころか減っている。
一方家賃はうなぎ上りに上がっていて、著者が取材したような低賃金労働では借りることが困難になっている。家賃の収入に占める割合は、どんなに安い物件でも40%近く。デポジットが用意できなければ、割高と分かっていてもモーテルなどを借りるしかなく、そうすると60%近くになることもある。自助努力の国アメリカでは、日本のような低所得層向けの公営住宅などなく、低賃金労働者は生きるだけで精一杯になる。配偶者や子供と助け合って生きていける人間はまだ家賃をあがなえるけど、シングルマザーは最も厳しい。日本でも一人口は養えなくとも二人口なら生きていけると言うけれど・・・。
あちこちのブログを読むとワーキングプアは政府と企業の責任という意見が目につきます。でも、私の意見は少し違う。企業は利益を目的としている組織。コストに対しては厳しくあるのが当たり前。企業活動がグローバルになっている現在、途上国の低賃金労働力に対抗するため、いろいろな手段はとらざるを得ないだろう。ただ、社会的存在である限り、モラルや法令を無視しては生きていけない。どこまで企業に要求できるか。
一方政府はと言えば、一時期日本は社会主義国より社会主義らしいとまで言われていた。でも、実際には80年代はヨーロッパの各国から日本は失業を輸出していると非難されていた。まるで今の中国のように。その後、バブルがはじけ、長期低迷の時代となり、税収も上がらず、社会格差が広がった。この状況で政府にどこまで求めるのか。私は小泉政権の成果は、結局何もしなかったことではないかと思っている。政府は何もしないと企業に認識させることで、自助努力でどうにかするしかないと痛感させた。それによって、各企業がそれぞれに対策に死にものぐるいで取り組み、どうにか生き延びた。政府が手助けしていたらどうなっていたのだろう?結局、傷をもっと大きくして、日本全体が沈んでしまった可能性もあるだろう。
当時、勤めていた工場が再編で閉鎖された経験のある私としては、人ごとではない。自分自身は社内に異動できる部署があったが、そうでない人も、諸処の事情で転勤することができずにやめていった人もたくさんいた。
政府のお金の使い方として、貧しい層に焦点を当てるのと、減税などでむしろ富裕層に還元するのと、どちらがよいのだろう?富裕層の中には、お金をまた事業に充て、新たに人を雇うことで、全体に経済を豊かにする人も出てくる可能性がある。結局バランスとは思うのだが、目の前の貧困だけに注目しすぎては、長期的には見誤ってしまうかもしれない。社会を支えている貧困層について、忘れてはいけないが。

この本の他の人の感想は例えば
http://fantastica.exblog.jp/4438724
http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2006/08/28220307.php

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2006年10月 3日 (火)

Nickel and Dimed 2

英文だとなかなか読み進まず、ようやくミネソタのウォルマートで働いた経験の最後のところまで来ました。
ウォルマートは全米で最も多くの人間を雇用している企業ですが、またその低賃金や健康保険制度の不備というか、公的保険に頼るよう推奨していることで非難されている企業でもあります。それを非難した映画ハイコストオブロープライスが評判をとっていました。

http://www.ssss.ne.jp/sr/archives/002170.html

アメリカの社会は貧困層を低賃金で使って利益を上げているだけでなく、貧困層も含んだ低所得者層から金を巻き上げ利益を上げている社会でもあります。ウォルマートの顧客層もまた経済事情の苦しいこれら低所得層だったり。
ワーキングプアが昨今日本でも話題となっているようで、先日タイトルにワーキングプアと付けたら、いきなりアクセスが増えたのにはびっくりしました。でも、同じようなタイトルで呼ばれていても日本のワーキングプアとアメリカのワーキングプアはどこか違うような気がします。アメリカはやはりむき出しの資本主義。ワーキングプアと呼ばれる人の生活はもっと厳しそうに見えます。

http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20060801/1154425850

この前もトラックバックを付けたここの意見はある程度的を得ているのでは?

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2006年9月13日 (水)

ワーキングプア

今日、帰りに本屋さんに寄って、週刊東洋経済を立ち読みしていました。今回の特集は、ワーキングプア。派遣や請負に代表される非正雇用によって再生産される貧困層がテーマです。今、読みかけのNickel and Dimedのテーマと同じです。
記事の中ではシャープ亀山の請負が特徴的な事例として紹介されていました。しかし、感じたのはこの雑誌の視点が甘いこと。ワーキングプアで検索すると7月の放映されたNHKの番組が上の方にヒットしますが、なんか、その番組を見て特集でも組んだのじゃないかという感じ。先週のAERAでは、すでにパートから正社員への登用の流れが記事になっており、いろいろ問題はある会社だけれど、朝日新聞はさすがに報道機関としては鋭いものがあるなと感じさせられたのと対照的。
実際、非正雇用から正規への登用の流れは企業業績が良くなったちょっと前から加速しており、私の勤めている工場でも数回に分け、数十人単位で派遣からの選抜をしている状態。企業はどうしても利益を出さなければならないから、コストについてはシビア。しかし、継続的に利益を出すためには単なるコストカットだけではだめなことも分かっている。
先のワーキングプアの検索でかかったページのほとんどは同情的だったけど、一つ醒めた目で見たページがあった。こういう見方もあるのかなと思わされた。

漫然とハードワークし続けるのは努力なんかじゃない
http://fromdusktildawn.g.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20060724/1153746266

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2006年9月 3日 (日)

Nickel and Dimed

朝日新聞のウェッブページに載っていた書評を見て、アマゾンで原著を取り寄せ、読み始めました。原著を選んだのは日本語の本だと連れ合いが読むのがしんどいだろうと思ってのことです。

http://book.asahi.com/business/TKY200608220364.html

まだ読み始めですが、ここで描かれているのは低賃金で貧困にあえぐワーキングプアの世界。アメリカの貧富の差の激しさは有名だけれど、貧困層の生活の実相はそれほど知られていない。少なくとも私は知らなかった。条件の恵まれない移民やそれ以前に市民権を持っていても恵まれない層がどんな風に生きているかをこれから読んでいきます。難民として渡ったベトナム人の多くもおそらく、そんな風にアメリカでの生活を始めたのだろうと(無理やりベトナムに関連付けです)。

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